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突然の動悸に要注意!不整脈の原因と治療法ガイド

 

不整脈とは?

不整脈とは、心臓の拍動が通常のリズムから逸脱する状態を指し、心拍が速くなったり遅くなったり、不規則に打つことが特徴です。通常、心臓は一定のリズムで収縮し、血液を全身に供給しますが、不整脈が発生すると、このリズムが崩れ、心拍が異常に速く(頻脈)、遅く(徐脈)、または不規則に(期外収縮や心房細動)なることがあります。

不整脈には多くの種類があり、その一部はほとんど無害であり、症状が現れないことが多いです。しかし、一部の不整脈は生命を脅かすことがあり、早期の診断と治療が不可欠です。不整脈に関する正しい知識を持つことで、適切な対応が可能になります。

 

不整脈の詳細な症状と原因

不整脈の症状は、その種類や発生頻度、重症度によって大きく異なります。以下は、不整脈が引き起こす代表的な症状です:

  • 動悸:心臓が激しく鼓動する感覚です。頻脈性不整脈では、特に心拍が非常に速くなるため、動悸を強く感じることが多いです。
  • めまい:心拍が不規則になることで、脳への血流が一時的に減少し、めまいが生じることがあります。これは、特に心拍が遅くなる徐脈性不整脈でよく見られます。
  • 息切れ:心臓の拍動が正常に機能しないと、酸素が十分に供給されなくなり、息切れが生じることがあります。
  • 胸痛:不整脈により、心臓が異常に動くと胸の痛みが生じることがあります。この痛みは、一過性のものであることが多いですが、長時間続く場合は注意が必要です。
  • 失神:心臓が一時的に停止したり、血流が極端に低下することで、意識を失うことがあります。特に危険な不整脈による失神は、緊急の医療処置が必要です。

不整脈の原因は多岐にわたり、心臓自体の問題だけでなく、全身的な要因が関与していることがあります。以下に、主な原因を詳述します:

  • 心疾患:冠動脈疾患、心筋症、心筋梗塞などの心臓疾患が不整脈の主要な原因となります。これらの疾患は、心臓の電気系統に影響を与え、不整脈を引き起こします。
  • ストレス:精神的、身体的ストレスが不整脈を誘発することがあります。ストレスは交感神経を活性化し、心拍数を増加させ、心拍のリズムを乱すことがあります。
  • カフェインやアルコール:これらの摂取物質は、心臓の電気活動に影響を与え、不整脈を引き起こすことがあります。特に大量に摂取することで、心拍が速くなったり、不規則になることがあります。
  • 薬の副作用:一部の薬、特に抗不整脈薬や抗うつ薬は、不整脈を引き起こす可能性があります。また、利尿薬などが電解質バランスを崩すことで不整脈が生じることもあります。
  • 電解質バランスの異常:ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの電解質のバランスが崩れると、心臓の電気信号の伝達が乱れ、不整脈が発生します。特にカリウムやカルシウムの異常は重大です。
  • 遺伝的要因:家族に不整脈の病歴がある場合、遺伝的に不整脈を発症しやすい体質を持っていることがあります。

不整脈の詳細な種類

不整脈にはさまざまな種類があり、それぞれの発症メカニズムやリスクが異なります。以下は、不整脈の代表的な種類です:

  • 心房細動:心房が異常に速く不規則に拍動する状態で、血液が心房内で滞り、血栓が形成されるリスクが高まります。血栓が血管に流れると、脳卒中などの重大な合併症を引き起こす可能性があります。
  • 心室性期外収縮:心室が通常のリズムより早く収縮することで、心臓が「飛んだ」ように感じることがあります。これは、健康な人でも発生することがあり、必ずしも病的なものではありませんが、頻繁に発生する場合は検査が必要です。
  • 心室頻拍:心室が非常に速く不規則に拍動する状態で、短時間で血液供給が不足し、生命を脅かす可能性があります。即座の治療が必要です。
  • 洞性徐脈:心拍が異常に遅くなる状態で、脳や他の臓器への血流が不足し、めまいや失神を引き起こすことがあります。ペースメーカーが必要になることがあります。
  • 心室細動:心室が無秩序に収縮する致命的な不整脈で、放置すると心停止を引き起こします。緊急の除細動が必要です。
  • 心房粗動:心房が非常に速く、規則的に拍動する状態で、心房細動と同様に血栓のリスクが高まります。
  • 頻脈性不整脈:心拍が異常に速くなる不整脈の総称で、特に心室頻拍や心房頻拍が含まれます。
  • 期外収縮:通常の心拍の間に余分な拍動が生じる状態で、心房性期外収縮と心室性期外収縮に分かれます。

不整脈の診断方法と検査

不整脈の診断には、心電図(ECG)が最も基本的かつ重要な検査方法です。心電図は、心臓の電気活動を記録し、異常なリズムや電気信号の伝達障害を検出します。診断に用いられる主な検査方法には、以下のものがあります:

  • 12誘導心電図:標準的な心電図検査で、心臓の活動を複数の角度から評価します。
  • ホルター心電図:24時間または48時間の間、心電図を連続的に記録する検査で、不整脈の発生頻度やタイミングを評価します。
  • イベントレコーダー:患者が不整脈の症状を感じたときに、手動で心電図を記録するデバイスです。ホルター心電図で検出できなかった一過性の不整脈を捉えるのに有効です。
  • ストレステスト:運動や薬物による負荷をかけ、心臓の反応を観察する検査で、不整脈の誘発や心筋の酸素供給不足を評価します。
  • 電気生理学的検査(EPS):カテーテルを用いて心臓内の電気活動を直接評価し、不整脈の原因を特定します。手術やアブレーション治療の計画にも用いられます。

不整脈の治療法

不整脈の治療は、症状の重症度や種類、原因によって異なります。治療法には、薬物療法、デバイス療法、カテーテルアブレーション、手術療法などがあります。

  • 薬物療法:抗不整脈薬、βブロッカー、カルシウムチャネルブロッカーなどが用いられ、心拍を正常に戻す、または心拍数をコントロールする効果があります。
  • デバイス療法:ペースメーカーや植込み型除細動器(ICD)が使用され、心拍を管理します。ペースメーカーは、遅い心拍を正常に保ち、ICDは致命的な不整脈を検出し、ショックを与えて心拍を正常に戻します。
  • カテーテルアブレーション:異常な電気信号を発生させる心臓組織をカテーテルで焼灼し、不整脈を治療します。心房細動や心室性頻拍の治療に効果的です。
  • 手術療法:複雑な不整脈や薬物療法、カテーテルアブレーションが効果を示さない場合に、開胸手術が行われることがあります。

治療法の選択は、医師との相談に基づき、患者の健康状態や生活スタイルを考慮して決定されます。

日常生活における不整脈の管理と予防

不整脈のリスクを減らすためには、日常生活における心臓の健康管理が重要です。以下の方法で、不整脈の発生を予防・管理することができます:

  • 健康的な食生活:心臓に良いとされる食品を積極的に摂取しましょう。特に、オメガ3脂肪酸を含む魚類、野菜、果物、全粒穀物をバランスよく食べることが大切です。
  • 適度な運動:有酸素運動を含む定期的な運動は、心臓の機能を改善し、不整脈のリスクを低減します。ただし、過度な運動は逆効果になることがあるため、医師と相談しながら行いましょう。
  • ストレス管理:ストレスは不整脈の一因となるため、リラクゼーション法やヨガ、瞑想などを取り入れて、ストレスを減少させることが重要です。
  • 禁煙:喫煙は心臓に負担をかけ、不整脈のリスクを高めます。禁煙を心がけましょう。
  • アルコールやカフェインの摂取制限:これらの物質は心拍を乱すことがあるため、適度な摂取を心がけましょう。
  • 定期的な健康チェック:不整脈の早期発見には、定期的な健康診断が重要です。特にリスクが高いとされる人々は、心電図検査を受けることをお勧めします。

まとめ

不整脈は、心臓のリズムが乱れる状態であり、適切な診断と治療が必要です。症状の軽いものから重篤なものまで多岐にわたり、その原因もさまざまです。日常生活においては、ストレス管理バランスの取れた食事適度な運動を心がけることで、不整脈の予防につながります。心電図検査を通じて、早期発見・早期治療を行い、健康な生活を維持することが大切です。