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エムポックス(サル痘):症状、感染経路、予防法と最新情報

 

エムポックスとは?

エムポックスは、かつてサル痘として知られていたウイルス性の感染症です。この病気は、1958年にデンマークの研究所でサルが飼育されていた際に初めて発見されましたが、その後ヒトにも感染することが確認されました。エムポックスは、主にアフリカの中央および西部の地域で流行しており、サル痘ウイルスに感染することで発症します。近年では、国際的な移動の増加に伴い、アフリカ以外の地域でも発症例が報告されるようになっています。

 

エムポックスの症状

エムポックスの症状は、初期段階では一般的なウイルス感染症に似ています。発熱頭痛筋肉痛倦怠感が主な症状で、特にリンパ節の腫れが特徴的です。これらの症状は、感染後約6日から13日で現れますが、最大で3週間かかる場合もあります。発疹は発症後数日で顔から始まり、次第に体全体に広がり、最終的には手足にも及びます。発疹は、膿疱や水疱へと進行し、痂皮となって剥がれ落ちるまで約2~4週間かかります。

エムポックスの症状は他の感染症と類似しているため、診断が難しい場合があります。特に天然痘との違いを見極めることが重要であり、リンパ節の腫れが診断の一助となります。また、感染者の約30%が合併症を引き起こし、最悪の場合、肺炎や敗血症などの重篤な症状に発展することがあります。

エムポックスの感染経路

エムポックスは、感染経路として、主に感染した動物やヒトとの直接接触が挙げられます。感染した動物、特にサル、げっ歯類、そしてペットとして飼われる可能性のある哺乳類との接触が感染の主な原因となります。また、ウイルスは感染者の体液、皮膚病変部位、さらには汚染された衣服や寝具を通じて人に感染します。

飛沫感染も報告されており、特に長時間にわたる密接な接触があった場合にはリスクが高まります。また、性行為を介した感染の可能性も指摘されており、エムポックスの感染拡大を防ぐためには、適切な予防措置が必要です。

世界および日本におけるエムポックスの感染者数

エムポックスはアフリカの特定地域で頻繁に発生していますが、近年では世界各地でも感染が報告されています。特に2022年には、パンデミックが懸念されるほどの感染拡大が見られました。世界保健機関(WHO)によると、これまでに数千人規模の感染者が確認されており、感染の広がりが懸念されています。

日本でも数例の感染が報告されており、特に海外からの帰国者に感染が見られるケースが増えています。感染者数はまだ少数に留まっていますが、今後の増加に備えた対策が求められます。日本国内での感染拡大を防ぐため、空港での検疫強化や、感染者の早期発見と隔離が重要です。

エムポックスのワクチンと予防方法

エムポックスには、かつて天然痘の予防に使用されていたワクチンが一定の効果を示すことが知られています。このワクチンはエムポックスに対しても予防効果があり、特に医療従事者や国際的な移動が頻繁な人々に対して接種が推奨されています。

予防方法としては、感染した動物との接触を避けることが最も効果的です。特に、アフリカなどの流行地域に滞在する場合は、動物との接触を避け、適切な防護具(手袋、マスクなど)を使用することが推奨されます。また、感染者との接触を避けることや、接触した場合にはすぐに手洗いや消毒を行うことが重要です。

エムポックスの致死率と死亡リスク

エムポックスの致死率は地域や医療環境によって異なります。アフリカにおいては、致死率が1%から10%と報告されており、特に小児や免疫不全状態の人々では重篤化しやすい傾向があります。先進国においては、適切な医療を受けることができるため、死亡リスクは低く抑えられていますが、油断は禁物です。

重篤な症例では、多臓器不全敗血症に至ることもあり、早期の診断と適切な治療が求められます。特に感染が疑われる場合には、迅速に医療機関を受診し、適切な処置を受けることが重要です。

まとめ

エムポックスは、感染力が強く、世界的にも重大な感染症として認識されています。予防が最も重要であり、感染リスクの高い地域への旅行や感染者との接触を避けることが推奨されます。

また、ワクチン接種や、感染が疑われる場合の早期診断と治療が肝要です。自己防衛を徹底し、万が一の感染に備えて正確な知識を持つことが大切です。